ゼロからのCS部門立ち上げをご支援。CS部門を先行して確立することで、各部門が顧客ニーズを余す事なく活用できる組織へ。━━株式会社mov

クライアント:株式会社mov(https://mov.am/
業種:店舗支援事業・インバウンド事業
課題:新規事業にともなうカスタマーサクセス部門の立ち上げ

━━mov様がカスタマーサクセス組織を立ち上げた背景を教えてください。

mov菊池様(以下、菊池様) 当社は、2020年に店舗支援事業としてSaaS型のビジネスモデルになる『口コミコム』というサービスを開始しました。SaaSは売り切り型のモデルではないので、契約してからがむしろスタート。カスタマーサクセス(以下「CS」。)が重要だということは理解していましたが、売れないことにはCSも発生しないということで、まずは、開発とセールスに注力することに。

『口コミコム』 を契約されたクライアント様の最初の更新時期が近づいてきた頃、サポート体制の強化を図るべく、いよいよCSに真正面から取り組むフェーズに入ります。当社のもうひとつの事業であるインバウンド支援とは業態が全く異なるものでしたので、専門家のサポートは必須であり、そのような経緯でクラウド・ブリッジさんにご支援いただくことになりました。

━━支援スタート時はどのような状況だったのでしょうか?

菊池様 岩渕さんはもともと株式会社セールスフォース・ドットコム(現・株式会社セールスフォース・ジャパン)に在籍されていたということもあり、「CSとは?」といった概要的な部分からわかりやすくご説明いただき、大変助かりました。

岩渕 mov様のCS組織は、私と菊池さんともうお一人の3人体制で立ち上げました。日増しにお客様の数も増えていましたので、1日も早く業務モデルを立ち上げる必要がありました。尚且つ、後からスタッフが増えても、スムーズに足並みを揃えて業務が進められなければいけません。mov様の社内体制なども考慮しながら、セールスフォースを軸としたCSの業務プロセス開発支援を行いました。

━━mov様を理解するために一番時間をかけたフェーズはどこでしたか?

岩渕 mov様のクライアント様がどんな顧客像なのかを理解するところですね。業種は飲食店様・美容クリニック様・小売業様など、店舗経営がほとんど。業種の割合はどうだろうか。そこに『口コミコム』が求められているポイントは何だろうか。そういった具合に分析を進めました。クラウド・ブリッジのクライアントはmov様になるわけですが、その先のmov様のクライアントを深く理解していく、ということを一番心がけました。

CS部門が立ち上がった今は、スタッフの皆さまがその視点を持ってクライアント様と向き合っています。『口コミコム』のクライアント様は、業種に業態、規模感もバラバラですから、集客を高めたい、従業員教育に利用したいなど、口コミの使い方ももちろん違ってきます。ニーズを適切に捉えて、CS部門がクライアント様の良き理解者となり、顧客満足度の向上に繋がっています。

━━CS部門が顧客理解者となったことで、社内にどのような変化がありましたか?

菊池様 岩渕さんにご支援いただいたことによって、想定以上の効果が得られました。CS部門が立ち上がってワークしているのはもちろんのこと、セールス部門とCS部門の横連携が非常に良く機能しています。CS部門のスタッフが丁寧にクライアント様と向き合あうことで、私たちですら気付いていなかった『口コミコム』の使い方を発見でき、それをセールス部門が商談の際に事例として紹介、顕在化していないニーズを掘り起こす一助となっています。

セールス部門がどんなに頑張っても、チャーンが多ければその分だけ受注が必要になり、そのためにはリードもたくさんなければいけない。これでは、マーケティング部門にもセールス部門にもシワ寄せが出てきてしまいます。CS部門が未熟では全てが悪循環に陥ってしまいます。

CS部門を最初にカタチづくることが出来たのは、結果的に非常にいい循環をもたらしたと言えるでしょう。現在ありがたいことに、チャーンレートについては投資家の予測数を大きく下回っています。

━━顧客ニーズを余す事なく活用できる好循環が生まれたのですね

菊池様 仮に、岩渕さんがセールス専門の方で、セールス部門を一番最初に固めていたら、これはまた違った展開になっていたかもしれませんね。

岩渕 そうですね。これまでそのような企業を多く見てきました。セールス部門が一番強いということは、売ることがゴールなんですよね。

菊池様 セールス部門がクライアント様に対して『口コミコム』を使うべきなのかを見定めないと、CSにフェーズが移ったときにアンマッチになってしまう。ニーズが存在しないと、どんなタッチをしてもチャーンしてしまいます。この悪循環がないのは、まず最初にCS部門を確立させたことが大きかったのだと思っています。

━━クラウド・ブリッジでは「クライアントと副業タレントの架け橋になる」として、副業人材のマッチングサービスも行っています。mov様もマッチングサービスをご活用いただいておりますが、印象はいかがでしたか?

菊池様 非常にレベルが高いですね。私たちはベンチャーなので、教育というリソースを割きにくく、即戦力がすぐ欲しいというニーズがあります。岩渕さんにはCS支援でmovに深く関わってくださっているので、どんな人材がどのタイミングで必要か正しく把握されている。正規雇用ではなくスポットでプロジェクトベース毎に繋いでくださるので、非常に助かっています。

岩渕 ありがとうございます。CS以外ですと、次に立ち上げる必要性のあったインサイドセールスに対して、専門性の強い人材を一定の期間だけ投入させていただきました。ちょっと変わったところでは、法務の専門もいまして、一時的にご支援を差し上げたというケースもありました。専任の法務担当者を置くフェーズではまだ無いのだけど、というニーズにマッチしたと思います。
必要な時期に必要な分だけ、という働き方は、企業様と副業タレント双方に良い効果をもたらしていると思います。

━━ mov様には企業内教育支援も実施されたと伺いました。どのような内容だったのですか?

岩渕 これまでCS部門のスタッフに向けた2つの研修をさせていただきました。一つ目は、ロジカルシンキング(論理的思考能力)の研修です。「クライアント様の課題の本質ってどこにあるのか?」「それに対してどんなご提案すべきか?」ということを、CS部門のメンバーは瞬時に道筋を立てクライアント様にお伝えしなければなりません。ロジカルにクライアント様と話すスキルを身につけることで、コミュニケーション力、交渉力を高めてもらう狙いで行いました。

二つ目は、顧客起点思考のトレーニングです。mov様のクライアント様は大企業も個人商店もいらっしゃいます。企業規模が違えば、それぞれのニーズも考え方も全く変わる。それぞれのクライアント様になったつもりで発想してみようというものです。今後CS部門のスタッフが増えていく上で、CS部門内での課題感を客観視し、必要な研修を設計しサポートしています。

菊池様 これは自慢でもありますが、当社のCS部門はもれなく全員CS未経験者でして。3年前の立ち上げからここまでよくやってくれています。これほどの成長は、岩渕さんのご尽力もあってのことだと思っています。

━━ mov様が今後クラウド・ブリッジへ期待することはどんなことですか?

菊池様 CSの面白みって“完成形がない“ということなんですよね。『口コミコム』 を安定だけのサービスに留めず、クライアント様に寄り添い“半歩先”の仕掛けや価値提供をし続けていくこと。そして、CS部門のスタッフ数も一層強化していきますので、将来的には業種別、店舗規模別、ニーズ別といった具合にCS部門内の仕組みづくりも課題になってくると思います。

クラウド・ブリッジ様には引き続きご支援をいただき、また、岩渕さんがセールスフォースで実証されてこられた事のトレースをぜひお願いしたいと思っています。

岩渕 ありがとうございます。mov様の組織が大きくなり人数も増強していく上で、高い水準での業務を維持することは不可欠です。私どもも、引き続きmov様のミッションを共有し、ご支援をご提供してまいります。

実は、今夏からクラウド・ブリッジの飲食事業で『口コミコム』を利用させていただくんです。私が昔から大切にしている「サービスのユーザーに自分自身もなれ」。この考えを、mov様にフィードバックし、お役に立てることを考えていきたい。より一層踏み込んで、顧客の目線からお役に立てることを考えていくことが、今から楽しみです。

菊池様 岩渕さんのこうした柔軟な思考力に本当に助けられます。今後ともよろしくお願いいたします。

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